Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
でございます、それは日蓮様がお生れになる以前から、やはり南無妙法蓮華経と響いていたのでございましょう……海の波がしらは獅子の鬣のようだと、人様が申しましたが、私共が聞きますと、大洋の波の音は、獅子の吼える音とおなじなのでございます」
虫の鳴く音から誘われた弁信の耳には、東夷東条安房の国、海辺の怒濤の響が湧き起ったようです。
二
その時、塔の上では茂太郎が、けたたましい声で歌い出しました――
とっつかめえた
とっつかめえた
星の子を
とっつかめえた
星の子を
とっつかめえて
五両に売った!
五両の相場
五両の相場は誰が立てた
八万長者のチョビ助が!
けれども、下にいた弁信法師の耳には、この時海潮音の響がいっぱいで、茂太郎のけたたましい声が入りませんでした。
弁信法師は今黙然として、曾て聞いた片海、市河、小湊の海の響を思い出しているのです。梵音海潮音はかの世間の声に勝れりという響が、耳もとに高鳴りして来たものですから、その余の声を聞いている遑がありません。
こうして、天上のあこがれと、地上の瞑想が、二人の少年によって恣にされている時、その場へ不意に一人の殺生者が現われました。