Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.722 Zeichen · 286 Bildschirme
お雪がこう言いますと、竜之助が、
「何ですか」
「それはね、この間、塩尻峠の上のあの大変の時ですね、勝負がどうなったんだかちっともわかりませんわ、相手の人たちはいないし、斬られてしまったとばかり思っていた先生が、無事でお帰りになったんですから。わたし、あの時から、あなたは幽霊じゃないか知らんと思いました」
「あれですか、あの時は先方が乱暴をしかけたから、こっちがそれを防いだだけです」
「でも、先方は四人でしょう、そうして、あなたはお一人でしょう」
「ええ……」
「それで、どうしてお怪我がなかったのですか」
「こっちも刀を抜いて防いだから……」
「だって、あなたはお眼が見えないでしょう、眼が見えないで刀が使えますか」
「眼が見えなくたって、手があるじゃありませんか」
「だって、先生……」
「手があるから刀を抜いて防いでいました、そうしたら先方が逃げてしまったのです」
「だって、あなた、斬られたらどうなさるの?」
「斬られなかったから助かりました」
「その斬られないのが不思議じゃアありませんか、先方は眼のあいた人が四人で……」
「それでも、こうして刀を持っていれば斬れないじゃないか」