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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.272 Zeichen · 313 Bildschirme

Aozora Bunko

それは水を欲しかったのです。水があらば一口飲ませてやりたいものと、それで忙しく、四方を見廻したけれども、そこには水のあろうはずがありません。

しかし、少しも失望することはない。この松原の中を一散に走れば釜無川の岸である。そこには落ちて富士川となる水が潺湲と流れている。

お銀様は、弁信を抱いたなりで、松原の中をひた走りに走りました。

やがて釜無川の岸。

お銀様は、その水を含んで飽くまで弁信の面に注ぎ、飽くまでその口に飲ませようとし、そうして三たびあらん限りの声で呼び醒ましました。

この声に、眠りの醒めないということはありません。

息を吹き返した弁信に、お銀様は自分の羽織を脱いで着せ、

「弁信さん、どうしたのです」

「ああ――」

弁信は長く息を引いて、深く空気を吸い込み、

「ああ、わたしは助かりましたか?」

「助かりましたよ。どうしてこんな目に逢いましたの?」

「あなたはお銀様ですね」

「そうですよ」

「お話し申せば長うございますが……」

鹿の子は生れて半時も経たぬ間に、もうひょこひょこと歩き出すそうですが、弁信は息を吹き返すと間もなく、平常の調子で、すらすらと話し出しました、