Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.962 Zeichen · 145 Bildschirme
お角さんは、神社仏閣をおろそかにしてはならないことをよく心得ています。街道に於ていずれの神社仏閣にも丹念に礼拝をこらさないということはありませんが、ここの熱田の宮へ来ても同様、長いこと崇敬を捧げておりました。
だが、お角さんのは、お稲荷様へするのも、笠森様へするのも、熱田のお宮へ参拝するのも、いつも同じことな熱心と、仕方ですから、おかしくならずにはおられません。つまりお稲荷様も、穴守様も、熱田の神様も、内容はみな同じことなあらたかさをもつ御神体だから、お粗末にしてはならないという恐懼の心と、それから、水商売の者は神様をうやまって、縁喜を祝わねばならぬということが、因襲的な信仰になっているらしい。
そこで、丹念に祈祷をこらしてしまえば、もう神社仏閣の形体には、何の興味も、必要も感じないらしいのです。
ところが、お銀様は、その尊敬と、礼拝とは、ほとんど、問題にしないで、その形体ばかりをあさって歩きたがることは、この道中、どこへ行っても変りありません。
お角が、委細わからずに尊敬をしているのを、お銀様は冷笑しながら、境内めぐりをして、その額堂に注意を払ったり、庭石をながめたり、水屋をのぞいたり、立札を読んだりして歩いて、ついうかうかと奥深く進んで行って、お角を驚かせることも、この道中、たびたびでありましたから