Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「いや――あれも、君が憎むほどの悪人じゃあるまいぜ、第一、君にこのお手元金を取られてしまって、さぞ残念がってるだろう――そのうえ悪口を言われてはたまるまいからな」
「それもそうですね、あたりまえなら只で置く女ではないのですが、罰金が取上げてあるから、暫く許して置いてあげましょう」
「それがいい」
「では、誰の悪口にしましょうね、誰も悪口を言う相手がないじゃないの」
「相手がなければ、悪口を言わんでもいい」
「でも、悪口を言わなければ、話の種がないじゃありませんか」
「話の種というのは、悪口に限ったわけのものじゃあるまい、何か罪のない、面白い世間話をし給え」
「罪のない話なんて、ちっとも面白かないわ、罪があるから世間話の種にもなるんじゃないの――では、わたし、自分のおのろけでも言って、あなたに聞いていただこうかしら」
百二十六
「結構だね、大いにやり給え」
と、兵馬もこのところ、大いにさばけてこう出たのに、女がかえって尻込みをして、
「よしましょうよ」
「よさなくってもいいから大いにやれ」
「いやです。第一、あなた、こうして山小屋の中へ木屑同様におっぽり出されて、手の出し手もない女が、おのろけもないじゃありませんか」