Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 254.021 Zeichen · 495 Bildschirme
「まあ、いいじゃないか、ゆっくりして行き給えよ」
「ゆっくりしていると、日が暮れらあ」
「日が暮れたら、泊って行き給え」
「そうしちゃいられねえんだよ、おいらはこれから人を探さなくちゃあならねえ」
「誰を?」
「そのお銀様という人と、それから……もう一人の人間を、今晩は夜通しかかっても探して帰らなくちゃあならねえ」
「それは、よした方がいいぞ、君」
「どうして」
「どうしてたって、夜は危険だよ、夜歩きをするのはあぶない」
「あぶねえことがあるもんか」
と米友が呟いて、よけいなお節介を言う人だという眼を以て見る。それをおだやかに、
「いや、このごろは、この静かな湖畔の町にも、相当に殺気が立っているから、夜歩きはやめた方がいい。君も知ってるだろう、このごろ、江戸の老中といって、権勢のすばらしいお役所から、役人が出張って、土地の検査をして歩いているのだ」
「うむ」
「その検査ぶりが不公平だというんで、人民が動揺している」
「うむ」
「それから君、姉川の方面では、水争いがはじまっているのだ、百姓たちが、おのおの自分の田へ水が引きたいといって、血の雨を降らさんばかりに騒いでいる」
「それは知ってる」