Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
毛唐の真似をして、束髪、女洋服ですましてみたかと思うと、もうがらり変って、おやじをあやなした時分の大時代の姿で納まり込んでいる。気まぐれな奴だと、神尾は横目で、じろじろと丸髷をながめながら通ると、お絹は自分の部屋で、ひとりギヤマンを研いていたらしい。
幾つものギヤマンをそこへ並べて、その傍らには中形の壜がある。ちゃぶ台の上へそれを置いて、
「よくお帰りになりましたね」
「ああ、感心に帰って来たよ、ほめてもらわなくちゃ」
「賞めて上げますとも、坊やはこのごろお行儀がよくなりました」
「全くその通り、実は鈴木安芸守をたずねたまでは至極無事だったが、あれから計らず悪友に逢ってな……」
「悪友――でも、あなたに善友というのもありましたか知ら」
「ばかにするな、今日は善友も善友、輪王寺の執当を二人までたずねた上に、重役の鈴木安芸守と真剣な話をして来たのだ、正真正銘の精進日なのだ、ところがきわどい時に昔の悪友、土肥庄次郎というのにつかまって、松源で一杯飲まされた」
「それから?」
「それからお定まりの吉原へ誘惑を受けたが、待ってる人があると言って、きっぱり断わってここへ帰って来たのだ、どうだ、有難い心意気だろう」