Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.374 Zeichen · 345 Bildschirme
いったい、何でそんなに急に京都風が吹き出して来たんでしょうね」
「まあ聞け、こういうわけなんだ、どの方面と名は言わないが、このおれにひとつ京都へ出張ってみないかという話が持ちかけられたんだよ。気の早い話だ、今日という今日の日に、人もあろうにこの神尾を見込んで、ひとつ京都へ乗込んで、一遊び遊んで来ちゃどうだという、甘い口がかかったんだ」
「まあ、それはどうした御縁なんでしょうねえ、また悪友にそそのかされておいでになったんじゃなくって?」
「いいや、これも悪友ではない、第一、悪友どもにこの神尾を見立てて京都へ行けというほどの実力ある奴がいるか。京都へ行けば、当分、遊びたいだけの遊びをしていいという軍費が出る、何一つ不足をさせない、その上に、仕事といってはただ遊んでいさえすればいいというのだから、神尾主膳あたりには打ってつけの役廻りだ」
「今時、そんな茶人があるものですかねえ、ほかならぬあなたをお見立てして、京都で思うさま遊ばせて上げようなんて、そんな有り余るお宝の持主がありますかねえ」
「それが有るのだ、有るべき道理あって有るのだから、やましいことがなく、しかも遊んでさえいれば、それが立派な御奉公になろうというのだから、まず近ごろ、これ以上の耳よりな話はないさ」