Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.838 Zeichen · 204 Bildschirme
ウスノロはウスノロだが、体格は図抜けていて馬鹿力があるし――田山白雲でもなければこれに対抗するものはないのです。今のところでは、手をつけるより、手をつけないで自然の鎮静を待つよりほかはないと船頭はじめ眉をひそめて、苦々しく思っているのだが、あいにくそのアルコール分はいよいよ沸騰するだけで、いつ鎮静の時を得るか分らないもののようです。
船長室へ駈けつけたお松が、駒井の迷惑と共鳴して、
「こっそりとお酒を飲みに、陸へ上ったのでございましょう」
「困ったものだ」
駒井甚三郎も真に当惑の色であります。
そのうちに、たまり兼ねたか船頭が取鎮めかたがたなだめに行ったもののようです。ところがその結果はかえって石灰の中に水を入れたような結果になり――喧々囂々、組んずほぐれつ、収拾すべからざる大乱闘が捲き起されてしまったことは、船長室まで手に取るように聞えて来ました。
「まあ、なだめに行った船頭さんたちを相手に、また乱暴をはじめたようです、どう致しましょう」
「困ったことだ」
駒井は苦り切っている。お松はいても立ってもいられない心持。あちらの船室内の騒動はいよいよ驚天動地。