Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠10

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠10 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 285.635 Zeichen · 558 Bildschirme

Aozora Bunko

『ようござんすよ……自分のした罪は、自分で背負いますから』

と、わたしも自暴の気味でそう言いますと、姉は一層こわい目をして、

『生意気なことをお言いなさい、お前のような世間知らずに、どうして、自分のした罪が背負いきれます……』

『ようござんす、姉さんのお世話にはなりませんから』

『誰もお前の世話をして上げるとは言わないよ……立派に一人でその始末をしてごらん』

『しますとも、わたしは、自分の知らないでした罪は、どこまでも自分で背負いきって、人様に御迷惑はかけませんから……』

『いたずら者……』

『いつ、わたしがいたずらを致しました、わたしは、誰かのように、夫を持ちながら、二人も、三人も、ほかの人を愛するようなことは致しませんから……』

『何をお言いだえ、お前、もう一度いってごらん』

姉はつかみかかるような勢いで、わたしに向って来ました。そうして、わたしの髪の毛を引据えて、さんざんに打ちました。

わたしは姉のするままにまかせて、少しも争わないで、ぶつだけぶたれておりましたが……どうしたのでしょう、そのぶたれるのが、何ともいえないいい心持でありました。

弁信さん――

それから、わたしはもういっそ、なにもかも許してしまおうかという気になりました。