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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

主催者であるが故に、主謀者であり、危険思想家の巨魁と見做された道庵が、一たまりもなく捕手の手に引っとらえられ、調子を食って横面を三ツ四ツ張り飛ばされ、両腕をだらりと後ろへ廻されて、身動きのできなくなったのは、ホンの瞬間の出来事でありました。

祭壇に飾られた、田つ物、畑つ物、かぐの木の実は、机、八脚と共に、天地に向って跳躍をはじめました。

ただ、問題の竹藪の中へ押立てられた木柱のみは、後生大事に――これは後日の最も有力な証拠物件となるのですから、汚損のないようにと抜き取られて、有合せの菰に包まれました。

ところで、すべての人は逃げちりました。逃げ散ったものはお構いなし、すでにこの呑舟の魚であるところの道庵先生を得ているのだから――

「こいつは驚いた、こいつはたまらねえ」

道庵は、やみくもに驚いてしまって、

「こいつはたまらねえ、これには驚いた」

と繰返して、ひとりで足をバタバタさせているほかには為さん術を知りません。

ようやくにして、次の言葉だけを歎願することができました。

「どうぞおてやわらかに願えてえものでがんす、借物ですからね、こう見えても、この烏帽子直垂は、土地の神主様からの借物でげすから――自分のものなら質の値が下ってもかまわねえけれど、借物だから、おてやわらかに願えてえもんでがんす」