Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「少し疲れが出たところへ、かぜをひいたものでしょう、たいしたことはありません」

兵馬は寝返りを打つと、北原が、

「それは何かと御不自由でござろう、お待ち下さい、拙者がひとつ、出直して看病に来て上げますから」

「それには及びません」

気軽な北原は、独り合点をして出て行ってしまいました。

兵馬は、この辺で起き上ろうと思いました。来て早々、人の厄介になるのは心苦しいと感じたからです。しかし、自分の力で、自分をもてあますほどに、筋肉が結滞しているのを感じました。

若い兵馬は、病気というものを、外気の傷害と見るよりは、自分の不鍛錬の結果と見ることが多いのです。また、今までの教育されぶりが、ほぼそのように教育されておりました。

人の意志が緊張し、精神が充実している時には、病気は近づかないはずである。それが衰えるから病気になるのだ。つまり、外気よりも内心に責任を置いているのだから、病気という時には、まず何物より自分の意志の薄弱を恥ずるのであります。

今も、やはりその廉恥心から、兵馬は、無理をして起きなければならないと感じたのです。かりそめにも、このくらいのことで、自分で自分の始末ができず、宿へついて早々、人の世話になるということの、いさぎよくないのを恥辱として、兵馬は、北原賢次が再度にやって来るまでに、少なくとも床を離れ