Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
茂太郎は、道に横たわる人間の塊を小さな手で押してみたけれども、ほとんど正体がありません。駒井甚三郎も提灯の光で、マドロスのずう体を見て困ったものだと思いました。
それはもとより、生命に別条があるのではなく、マドロスは泥酔したために、この通り正体もなく地上に眠っているのです。
人間は、少し足りないくらいで、危険性は持っていないが、隙があれば酒を飲みたがり、その酒は地酒でも、悪酒でも、焼酎でも、振舞酒でも、自腹でもなんでもかまわず、飲ませる者があり、飲む機会さえあれば、かぶりついて辞するということを知らない。酔うと、外国人としての勝手違いと愛嬌がいよいよ発揮されるものだから、それを面白いことにして、とっつかまえて、強いる者もある。
こんなにして、途上に酔いつぶれて、駒井を困らせたのは、もうこれで三度目です。このままにして置いては悪いが、そうかといって、呼びさませばなお始末が悪いかも知れぬ。第一、持運びにも困難だ。
「よし、誰か取りによこそう、このままにして置け」
苦りきった駒井は、茂太郎を促して、その場を去ってしまいました。
そうして、駒井は陣屋へ帰って来て、内外を一巡して見たが、マドロスの不在のほかには、別に異状がありません。