Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
お銀様もまた、なによりも人に見らるることを嫌うのを心得ているのですが、この場合、相当に条理のありそうな、この士分の者のあらためのかけ合いを、素直に聞いてやらないのは、かえって不利益だとさとりました。
お銀様があらためらるることを快しとしないだけで、憚りながら我々の方は、さかさにふるってあらためられたところで、後暗いことなんぞは微塵もないのだ。そこでお角が、お銀様の乗物に向って、
「お嬢様」
「はい」
「お聞きの通り、岡崎様の御藩中の方が、なんぞ人あらためをなさりたいとの思召しでござります」
「はい、どうぞ、御自由に。なんならそれまで、罷り出でましょうか」
お銀様は、動ぜぬ声で答えました。
その声を聞いただけで、岡崎藩の美少年は納得したようです。
「いいや、そのお声で、たしかに御女性とお察し申します、乗物をお立ち出で下さるには及びませぬ、一応、御旅切手だけを拝見お許し下さるよう」
「心得ました」
お角はお関所切手を取り出して、美少年に示すと、美少年は篤と見了って、充分に理解が届いたと見え、
「これは近ごろ、ご無礼の段、お許し下さるよう、どうぞ、そのままお通り下されませ」