Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
「こうして置いて、まとめて、地獄へ送って上げようと思います」
「ふふん」
と竜之助があざ笑いました。
この世で屑屋さえ買いたがらないものを、地獄で受取って何にするのだと、口へ出しては言わないで、冷笑を以てむくいました。
「地獄では、こんなのを大変に喜びます」
お浜は負けない気になって、ことさらに誇張したような表情で、そのなかの女の着物、自分がいま着ているのとほとんど同じもの一枚を取り出して、その袖をひろげて、蝙蝠のように竜之助の方に向け、
「ごらんなさい、これは、わたしのでございますよ、この乳の下に大きな穴があいてございましょう、こんなのを着て行くと、地獄では大変に幅が利きますのよ」
「…………」
どうも、そう言われてみると、軽蔑と、冷笑とを以てしながらも、それを見ないわけにはゆきません。そこでお浜は、
「芝の山内の松原で、あなたから、こんな目に逢わされてしまいました、この乳の下のがずいぶん深うございますよ、地獄へ来て、かかりのお医者様も驚きました、こういう無残な突き方は無いそうでございます、ですから、ごらんなさい、今でもこの通りなおりません、ひとりでに血が流れて参ります」