Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme
おじさん、あなたが行って下されば、願ったりかなったりです」
「そんなことは全くおやすい御用だ――房州は何というところだね」
「洲崎というところでございます」
「洲崎――あんまり聞いたことのねえ名だが、なあに、たずねれば直ぐわかるだろう」
「江戸の霊岸島から、船で行くといいそうでございます」
「船はいけないね、千葉の方から内海を一走りした方が楽だろう」
「どちらでもかまいません――洲崎に、わたしが只今お預かりしているお子さんのお父様がおいでになるのです、そこへお便りをしていただきとうございます」
「うむ、何という人だね」
「以前は、駒井能登守様といって、甲府の勤番支配をつとめていらっしゃいました」
「え、甲府の勤番支配、そりゃ大物だ」
七兵衛はここで、ギクリとした思い入れ。
「はい、今は駒井甚三郎様といって、世を忍んで、房州の洲崎にいらっしゃいます、そこへおたよりを願いたいのでございます」
「たしかに頼まれました、これから直ぐに出かけましょう」
「まあ、それはあんまり」
「なあに、房州ぐらい、江戸へ出て見れば鼻の先に山が見えますよ、何でもありゃしません、ほんの一走り、この足で、ここから飛んで行きますよ」