Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうですか、早く、このお子さんに、親子の名乗りをさせてお上げ申したいものだな、そうして、すんなりと御家督をついで、お家繁昌ということにして上げたいものだ、お松さん、頼みますよ」

「はい、わたくしも、そのことばかり願っておりますのよ。あの殿様は、今の時世にはエラ過ぎるので、ああして隠れていらっしゃいますが、やがて、世にお出なさる時は、どんなにめざましいことでしょう。その時になって、駒井のひとり子があのザマだと言われては、わたしの恥にもなりますから、きっと立派な方に育ててお目にかけるつもりでおりますと、そのことをよく殿様にお取次ぎ下さいまし」

「あ、わかった、わかった、いい心がけだ、お松さん、お前の心がけには感心した、世間の女房と娘に、その心がけの百一さえあってくれりゃあ、こんなことにはならねえのだ」

「何をおっしゃるのです、おじさん、それではあんまり愚痴っぽく聞えてしまいますよ」

「ハ、ハ、ハ、自分のことと、人様のこととを取交ぜて考えるものだから、つい……これを見るにつけてもなあ、お松さん」

「はい」

「こんな血統の立派な、胤の正しいお子さんにしてからが、やっぱり親の手を離れて置くと、どちらにも心配があるというものだ、ロクでもねえ百姓の倅の、馬鹿野郎のガキでも、親となり子となれば、それを思う人情には変りはねえという