Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 368.567 Zeichen · 720 Bildschirme

Aozora Bunko

「それはいけないね、早く殿様に告げに行っておやりなさい」

「お嬢さんが行きました」

「それじゃ、おじさんもこうしてはいられない」

七兵衛もあわただしく立って、庭の方へ出て見ました。

なるほど、茂太郎が言った通り、村の人かなにかが多数に乱入して、無理矢理にこの物置の中の人を奪って行った形跡はたしかです。それにしても乱暴過ぎると思わないわけにはゆきません。

いくら悪いことをしたからとて、そこの主人が承知で物置へ入れて置くものを、よそから来て奪い去って行くというのは、あまりに乱暴です。

多分、このマドロスという男が、村人に、堪え忍び難きほどの損害か、恥辱かを与えたればこそ、こういう仕返しが来たのかもしれません。それにしても、主人を無視した、乱暴な仕打ちであると考えさせられました。

この分では、奪って行かれたマドロスという人の運命の程が思われる。どのみち、虐殺のうき目を遁るることはできない。何の罪状か知らないが、罪を問うならば問う方法がある、これでは無茶だ、という気持が、むらむらと七兵衛の心に起りました。

そうしてみると、一刻も猶予してはいられない。よしよし、とにかく、ひとつ出かけて行って見てやろう。