Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠19 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 319.771 Zeichen · 617 Bildschirme
「おいおい、吉田氏、竜太郎どの、何をそんなところで、うろうろしているのだ、気のきいた幽霊は引込む時分だ」
その男は、菊桐の御紋章の提灯を提げていたのが、これも少々酔っていると見えて、声は大きいけれども、うつろです。呼びかけた相手の主は、誰か知らないが、ほかにそれと覚しい人もないから、多分自分が置きっぱなしにして来た送り狼のその当人だろうと思って、踏みとどまってみていると、果して、
「斎藤だよ、斎藤一だよ、一足違いで君に逢えなかった、君を御簾の間へ残して置いたのは、こういう時の頼みのためなんだ、君という男も、前には芹沢で立後れ、今は伊東でまた後手に廻る、仕様がないなあ、ともかく、これから月心院へ引上げよう」
菊桐の紋のついたのがこう言って、忙がわしく橋桁の方へ近寄って、送り狼の身にからみつくようにした時、またもや橋上がにわかに物騒がしくなりました。
人が来る、しかも、夥しい人数が来る、粛々として殺気を帯びて来る。殺気を帯びた人数の出動することは、このごろの京の天地に於ては物珍しとはしないが、時が時であって、源松の六感を震動させたのは、その一隊が手に手に武器を携えて、一方には夥しい提灯をかざして来る事の体というものが、普通の巡邏とは巡邏のおもむきを異にし、いわば、うちいりを済ました後の赤穂浪人――或いはこれから