Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

「よく訴人した、案内せよ」

惣太を先に打立たせ、やがてその山小舎のあたりへ来た時分に、前後の様子を篤と見定めた藤井新八郎は、

「惣太」

「へえ」

「気の毒だが、その方の小舎へ火をつけてくれまいか」

「焼くのでございますか」

「そうじゃ、あとで不服のないように普請をして取らせる」

「よろしゅうございます、焼きましょう」

「しからば、これを持って行け」

新八郎は、腰にさげたやや重味のある袋を出して惣太に取らせる。

「これは何でございます」

「それは火薬である、その方はそれを持って、なにげなき体で小舎へ帰れ、気取られぬように、小舎を締め切って程よいところから火を出せ、その火を合図に我々が取囲んで、一人も残さず搦め取る」

「よろしゅうございます、やってみましょう、ずいぶんあぶない仕事ですが、なあに、やってやれないことはござんすまい」

落武者は十一人と数が知れても、それが死物狂いに荒れる時は危険の程度が測られない、新八郎が惣太に火薬を授けたのは、その辺の遠慮から出た計画と見える。

藤堂方の討手は小舎を遠巻きにしていると、惣太は心得て、火薬袋を腰にぶらさげて小舎へ戻って来たが、このとき、小舎の中はもう薄暗い。