Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

笠の上の濡れ手紙が乾いたから、米友はそれを捲き直そうとすると、

「友さん、お前は字が読めたねえ」

「読めなくってよ、いろはにほへとから源平藤橘、それから三字経に千字文、四書五経の素読まで俺らは習っているんだ」

米友は少しく得意の体。

「それはよかった、それではその手紙は、どこへ届けるのだか読んで下さい」

「何だって? お前、届先を聞かねえで手紙を頼まれて来るやつもねえもんじゃねえか。どれ、読んでみてやろう」

「読んで下さい、こんな騒動がなければ早く届けて上げるんでしたに」

「エート」

米友は仔細らしい面をしてその手紙の表を見て、

「女文字だね、女にしちゃよく書いてある。なんだ……大湊、与兵衛様方小島様まいる――おやおや、この宛先は大湊だよ」

「まあ大湊……それではまるでこことは方角違い、早く届ければよかったねえ」

「そうだな、宇治から大湊までは一息だが、ここからでは大変だ、逆戻りをして、また宇治山田の町を突っ切って、それからでねえと大湊へは出られねえ」

「困りましたねえ、急ぎの用なんでしょうか。あの女の方はたいへん心配そうにして、お金までつけて頼むんだから早い方がいいだろうに、さぞ頼み甲斐のない女だと思っているでしょう」