Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠2

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme

Aozora Bunko

落してみればその手紙、同じようにグッショリと濡れ切っていました。

「これは大切なもの、今まですっかり忘れていた」

お玉は、あわててそれを拾い取って、

「申しわけがない、こんなに濡らしちまって」

この時、米友の焚きつけた火はよく燃え上る。

「手紙かい、濡れたんなら、ここで乾かすがいい、火であぶってやろう」

大事そうにお玉は濡れた手紙を取って米友に渡しながら、

「昨晩、備前屋で頼まれた手紙、懐ろへ入れたまんまで今まで忘れていました。ああ、お金の方はどうなったかしら」

「頼まれ物は大事にしなくちゃあいけねえ。おやおや、グショグショだ、封じ目もなにも離れちゃった、このままでは手がつけられねえ。おっと待ったり、いいことがある、この笠の上へ拡げて、遠火であぶるとやらかせ」

被って来た笠の上へ濡れた手紙を置いて、封じ目もなにも離れてしまったから、爪の先で拡げて火の傍へ持って来ます。その間にお玉は米友の衣裳に着替えてしまって火の傍へ来ると、米友は干場にかけた着物を表は天日で、裏は焚火で両面から乾かすようにしておいて、二人が焚火を囲んで座を占めます。

「紙の方が乾きが早いや、もうこれカサカサになった、もとのように捲いて封じ目を拵えておいてやれ」