Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠2 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.601 Zeichen · 387 Bildschirme
「まだ雨が降っているようじゃ」
もうかれこれ日は暮れる。その時分ようやく正気がつきかけると、さて自分はいま峠の上に寝ているな、うむ、あのがんりきという奴を斬った、駕籠屋が逃げた、そもそもここは甲斐と駿河の境だと彼等の話に聞いていた、その前にかの古寺、その前は……それにしても水が飲みたい――
「水、水」
咽喉は乾いてゆくけれど、昏睡の慾が強くて、ややもすれば深き眠りに落ちようとする。
ここは甲州入りの抜道、滅多に人の通るところでないことが、寝ている竜之助のためには幸か不幸か。このまま深い眠りに落ちてしまっては……よし眼が覚めたところでこの人には、どちらへどう行ってよいか方向がわかるまいけれど……
二
甲斐の白根山脈と富士川との間の山間一帯に「山の娘」という、名を成さない一団体の女子連があります。
仕事の暇な時分に、山の娘は他国へ行商に出かける。
山の娘は、揃いの盲縞の着物、飛白の前掛、紺の脚絆手甲、菅の笠という一様な扮装で、ただ前掛の紐とか、襦袢の襟というところに、めいめいの好み、いささかの女性らしい色どりを見せているばかりであります。