Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「別に骨を折って上げた覚えもないけれどな、まあ計らぬ縁でこうして世話になるのだ、あれはなかなか親切でよい人だ」
「そうです、親切で、気前がなかなかようございます。旦那様は、あのお若さんの盛りの時分から御存じですか、それとも、近頃のお知合いなんですか」
「ほんの、つい近頃の知合いだ」
「そうですか、小名路の花屋のお若さんといえば、甲州街道きっての評判でございましたよ、街道を通る人が花屋のお若さんから、お茶を一ついただかないことには話の種になりませんでした、それだけ評判者でしたけれども、身の上をお聞き申すとかわいそうです」
「ははあ」
机竜之助は思わぬところから、女の身の上話を聞かされようとするのを、あながちいやとは思いませんでした。今までも、自分を推しては問わず、女もまた好んで語ろうともしなかったが、雨の山駕籠を揺りながら、朴訥な土地の者の口から無心に語り出でられようとする情味を、あえて妨げようとする気にもなりません。
「御存じですかね、お若さんは花屋の本当の娘ではありません、小さい時に貰われて来たんです」
「なるほど」
「貰われて来たんですけれども、その親許がわからないのですね」