Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme
「権現様が旗本をつれて江戸をお開きになった根元というものは、そういったものではなかったのだ、権現様は大きなお庄屋さん気取り、旗本は三河の田舎ざむらいを恥としなかったものだが、世が末になればといって、今日このごろの有様は、ほんとうに浅ましくって涙もこぼれない、色里や歌舞伎者にチヤホヤされるのが江戸ッ児だと心得ているくらいだから、刀のさしようは知らなくっても、花札の引きようは心得て、町浄瑠璃の一くさりも唸れなければ、さむらいではないと思っている、心中者が出来れば羽目を外して大騒ぎをやる、かりにも老中のお屋敷がバクチの宿となって、旗本がお手入れを食って逃げ出したとは、なんというみじめな有様だ、これで世が亡びなければ亡びないのが不思議だが、しかし、さすがに権現様の御威光は大したもので、これほどに腐りきった屋台骨が、ともかくも無事で持ちこたえられているというのは、一に東照権現の御威光のしからしむるところだ」
しかし、また一方には、それをせせら笑う若いものもあって申します。
「それじゃ何かえ、せっかくここまで進んで来た江戸の文化を、昔の田舎気分に引き戻せとおっしゃるのかい。