Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

その大身のさむらいと思われる人品のあるのは、最初から笠に面を隠していますから、その何者であるやは確かにはわかりませんが、羅紗の筒袖羽織に野袴を穿いて、蝋鞘の大小を差し、年は三十前後と思われるほどの若さを持っているのが、爽やかな声で言います、

「それから、あの奇怪な風采をした少年、少年といおうか、或いは若者といおうか、正直にして怒り易い、槍に妙を得た、あれの幼馴染といった男は、どうしていますか。あの男を、そなたは御存じか……君は絶えずあの男に逢いたがっていたのだが……」

「ああ、米友さんのことでございますか……」

と娘が答えた時に、大魔術の小屋で大太鼓と金鼓の音がけたたましく、鳴り出しましたから、墓地の中の二人も、これに驚かされ、問答の半ばでふたりいい合わせたように、この高い天幕の小屋を見上げますと、そこで計らずも、窓から見下ろしていたお角と面を見合わせました。

「おや?」

と驚いたのはお角です。こっちは窓に人がいると気づいただけですけれども、お角はこの墓地の中から、笠の面を振上げたその中の人を見て、驚いてしまいました。その人は、もとの甲府勤番支配、駒井能登守に相違ないと思ったからです。