Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠7

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 242.044 Zeichen · 477 Bildschirme

Aozora Bunko

で、土をふるって大切そうに芝生の上へ移し、再び鍬を取って、以前のように地均しをはじめていると、またも晴れた嵐が松の枝を渡る時、

「兄貴、何をしているのだ」

悪い奴が来たもので、これはがんりきの百蔵が風のようにやって来て、いつか後ろに立っているのでした。

「百、何しに来たんだ」

悪いところへ悪い奴と思って、七兵衛が苦りきっていうと、百蔵は洒唖として、

「日光街道の大松原で、ふと兄貴の後ろ姿を見かけたものだから、こうしてあとをつけてやって参りましたよ」

「油断も隙もならねえ」

七兵衛が鍬をついてがんりきをながめていると、がんりきは、その鍬と七兵衛の掘り出した油紙包の箱と両方へ眼をくれながら、

「ひとつ折入って兄貴にお聞き申したいことがあって、それ故、おあとを慕って参りました」

「それはいったい、どういうことを聞きたいのだ」

「ほかでもありませんが、この道中筋を横と縦へ向って、今がんりきの百蔵がしきりに捜し物をして飛び廻っているという次第ですが、その捜し物というのは、兄貴の前だが……」

「わかってる、わかってる」

七兵衛は頭を振って、

「手前が、そうしてのぼせ切って東西南北を血眼で馳け廻っている有様を見ると、おれは不憫で涙がこぼれる、仕舞の果てにはなけなしの、もう一本の片腕をぶち落されるくらいが落ちだろう……色狂い!」