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Japanische Klassiker mit Furigana

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きかいなさいかい

奇怪な再会

芥川 竜之介

Lesen Sie 奇怪な再会 (きかいなさいかい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.996 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

それは始終涎に濡れた、ちょうど子持ちの乳房のように、鳶色の斑がある鼻づらだった。

「へええ、して見ると鼻の赭い方が、犬では美人の相なのかも知れない。」

「美男ですよ、あの犬は。これは黒いから、醜男ですわね。」

「男かい、二匹とも。ここの家へ来る男は、おればかりかと思ったが、――こりゃちと怪しからんな。」

牧野はお蓮の手を突つきながら、彼一人上機嫌に笑い崩れた。

しかし牧野はいつまでも、その景気を保っていられなかった。犬は彼等が床へはいると、古襖一重隔てた向うに、何度も悲しそうな声を立てた。のみならずしまいにはその襖へ、がりがり前足の爪をかけた。牧野は深夜のランプの光に、妙な苦笑を浮べながら、とうとうお蓮へ声をかけた。

「おい、そこを開けてやれよ。」

が、彼女が襖を開けると、犬は存外ゆっくりと、二人の枕もとへはいって来た。そうして白い影のように、そこへ腹を落着けたなり、じっと彼等を眺め出した。

お蓮は何だかその眼つきが、人のような気がしてならなかった。

七

それから二三日経ったある夜、お蓮は本宅を抜けて来た牧野と、近所の寄席へ出かけて行った。