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Japanische Klassiker mit Furigana

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きだんクラブ〔せんごばん〕

奇談クラブ〔戦後版〕

野村 胡堂

Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.177 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

三室銀子の人気は、まさに日の出の勢で、半歳の後には、完全に若い歌い手達を征服して、リーデ歌いとしては、殆んど第一人者と言われるようになりました。続いて三室銀子の洋行説などが伝わり、左近倉平などという中老の作曲家が、その影身に添うようにウロウロすることが、三室銀子の人気に障るようにまで、世界が変って来たのです。

此儘で行ったら事情はどう発展したかわかりませんが、翌年の夏頃から銀子は次第にその美しい声をスポイルして、秋口にはもう舞台に立つことさえむつかしくなっておりました。

楽壇にデビューしてからたった一年、それは華々しくはあったが、短く儚ない人気でした。「三室銀子は何処へ行く――」例のうるさい雀共がそう噂り交した時、当の三室銀子と左近倉平との結婚話が持ち上ったのです。

左近倉平は、それは四度目の結婚でした。

「畜生ッ、うまい事をやりやがる」「あの世へ行ったら、誰が一体左近倉平の左に座るだろう。俺は少くともあの男の結婚式に三度招待されたが」――そんな噂が、例のポマードをつけた雀共に、うるさく囀られました。

世間が無暗にやっかんだのも無理のないことでした。