Japanische Klassiker mit Furigana
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きだんクラブ〔せんごばん〕
奇談クラブ〔戦後版〕
野村 胡堂
Lesen Sie 奇談クラブ〔戦後版〕 (きだんクラブ〔せんごばん〕) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.841 Zeichen · 22 Bildschirme
フィナーレ
いずれ御病死の届をすることになるだろう、――お前は此処から脱出して、村々の自訴を止めるのだ。よいか、阿武隈の御家を取潰しても、百姓町人が直ぐ幸せになるとは限るまい。江戸の若君の成人まで、此高塚蔵人として、決して百姓町人を泣かせるような事はしない積りだ、――解ったか、解ったら早く行け」
そう言う高塚蔵人の眼には涙がありました。夢心地の中村新八郎を誘って、不浄門から外へ突出し、静かに元の部屋へ引返して行くのです。
フィナーレ
「この後中村新八郎は何うなったか、其処までは伝わって居りません。阿武隈家は無事に維新まで伝わりましたが、その後大した悪政も無かった様です。――高塚蔵人が主君を刺した中村新八郎を許したのは怪しからん――などと仰しゃる方は無いでしょうね。徳川時代も此頃になると、忠義とか家とかの観念はすっかり変って、お家が立ち行かなくなると、随分主君に詰め腹を切らせ兼ねない忠臣があったものです。事情は違いますが、主君の非政を公儀に訴えて大いに抗争した栗山大膳などでさえ、一方からは忠臣扱いされて居るではありませんか。――この話には、いつも此奇談クラブの会員が申し上げる通り、偶意も教訓も何んにもありません。