Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選
野村 胡堂
Lesen Sie 奇譚 銭形平次 「銭形平次捕物控」傑作選 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.249 Zeichen · 62 Bildschirme
「御免よ」
「誰だえ、――悔みに来たのなら、ズイと入りな。線香だけはフンダンに用意してあるよ。尤も夏に買っておいた蚊やり線香だが、仏は文句を言わねえから間に合わねえことは、あるめえ」
「たいそうな元気だね、親方」
平次も少しタジタジでした。
「何を言やがる、女房が死んでメソメソするようなお人柄じゃねえよ。年が明けて品川から駆け込んだのは三年前だ。お互によくも辛抱したものだと、我ながら仏様の前で感心しているところなんだ、――おっとどっこい、拝むのは御自由だが、香奠を忘れちゃいけねえよ」
「親方、あんまり威張ると引っ込みがつかなくなるぜ。銭形の親分が調べに来たんだ」
見兼ねた八五郎は、この自棄で呑んでいるらしい植木屋の耳に囁きました。
「何? 銭形の親分? そいつは知らなかった、――相済みません。勘弁しておくんなさい、――お滝と来た日にゃ、大酒呑みで手が早くて、欲が深くて嫉妬で、生きているうちは始末の悪い女房だったが、死んだとなるとやっぱり淋しいや。ね、親分さん」
「長屋の奴等は薄情だから、鼻糞ほどの香奠を月番の老爺に届けさせて、ろくに面も見せねえ。――そこへいくと伊賀井様の人たちは届くぜ、御用人の竹林さんは御殿様からという口上付で香奠が一朱、自分のは別に二百文」