Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちぎりきぬ

契りきぬ

山本 周五郎

Lesen Sie 契りきぬ (ちぎりきぬ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.757 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

「それよりいっしょにはいりましょう、いいでしょう精之助さん、あとでなつさんをお借りしてよ」

「若くなるつもりでいるんだ」

内記が酔って赤くなった顔でこう笑った。

「若い者といっしょに風呂へはいると肌が若くなるんだそうだ、誰かに聞いたもんだから、早速ためすつもりさ、あの年になってまだそんな妄執があるんだから」

「女なんておろかな者だ、でしょう」妻女は巧みに良人の言葉の先をとった「――はいわかりました、そこでつかぬことをお伺い申しますけれど、御自分がこのあいだ隠れて白髪を抜いていらしったのはどういう妄執でございますか」

「はあ、叔父さんもう白髪があるんですか」

「ばかを云え、なにをつまらんことを、白髪などというものは見たこともない」

「ええ、禿げるたちでございますの」

ばかばかしい会話であるが、あけっ放しで意気の合った、なごやかな夫婦の情がよくうかがわれ、伊代までが声をあげて笑った。

食事の済んだあと暫く休んでから、妻女は本当におなつといっしょに風呂へはいった。幾たびも辞退したのであるが、伊代まで側についてすすめるので、ついに断わりきれなくなり、思いきって云われるとおりにした。