Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おんなごころのつよければ

女心の強ければ

豊島 与志雄

Lesen Sie 女心の強ければ (おんなごころのつよければ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.011 Zeichen · 94 Bildschirme

Aozora Bunko

その甲李の中に、さまざまな裁ち布が一杯、各種の色彩を氾濫さしている。その小布から手頃なのを選り取って、久恵と敏子は人形の着物を拵えていた。久恵の賃仕事と敏子のデパート勤めとが済んだ宵の、手遊びなのである。

一閑張の円卓に、茶菓が出されてるが、久恵は長谷川にすすめようともせず、ただにこやかに坐っていた。

「あ、こちらの、紫の方がいいかも知れないよ。」

人形の布を、久恵は指図し、それを敏子は素直にきいて、裁ち布をかき廻すのだった。髪にパーマをかけてはいるが、和服に着換えて、膝をきちんと坐っていた。

彼女がデパートでどんな様子をしてるか、長谷川は見に行きたく思ったこともあるが、未だに差し控えている。明朗でそしておとなしそうな彼女を、長谷川は好きだった。

「敏子さん、いっそデパートなんかやめちゃって、人形の方を専門にしないかね。お母さんも、針仕事やミシンをやめて、人形の衣裳だけにかかるんですな。そしたら、僕が大いに宣伝して、売り出してみせますよ。」

「だって、人形だけじゃあ、退屈でしょう。」と敏子が応じた。

「退屈……どうして。」

「朝から晩まで、坐りどおしで、人形ばかり拵えるんでしょう。