Japanische Klassiker mit Furigana
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こうじんぶつ
好人物
佐々木 邦
Lesen Sie 好人物 (こうじんぶつ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 52.609 Zeichen · 107 Bildschirme
それに女は男と違って、殊に子供でもあると、然うおいそれと外出の叶うものでない。
「さあ、奥さま、何うぞお通り下さいませ」
と請じても、
「何うも飛んだ御無沙汰を申上げまして、何とも申訳ございません」
とお客さまは玄関に坐ったまゝ挨拶をする。そこで安子さんも拠ろなく、
「いゝえ、私こそ存じながらつい御無沙汰申上げまして……」
とお辞儀をする。斯く双方自分の非を高唱する所は良人を相手に廻した場合と全く違っている。お土産ものが出て、それに対するお礼の言葉があって、主客は漸くお座敷へ通った。斯うなると八千代さんは差当り御用係を解かれる。二階へ上って独り三角関係の小説を読み続けるより外はない。
「坊ちゃんもお嬢さまも嘸お身大きくおなりでございましょうね?」
「はあ、身体ばかり大きくなりまして、この間も去年の間服を着せて見ましたら、ツンツルテンで大笑いを致しました。おいたばかりを覚えて困り切ります」
「結構でございますわ。花子さんはもうお四つにおなりでしたわね?」
「いゝえ、五つでございますのよ」
「まあ、お五つ! お早いものね。それでお二人きりで後は未だでございますの?」