Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いもうとのし
妹の死
中 勘助
Lesen Sie 妹の死 (いもうとのし) von 中 勘助 (なかかんすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.837 Zeichen · 18 Bildschirme
夕がたになると無数の蜘蛛がひばの枝から枝へ、また軒から瓦へといそがしく巣をかける。守宮がでる。そんなものが大嫌いだった妹は枕にひったりと頭をつけたなりまるで見えないもののように平気でそれをみている。反対の側のやや広い地面には姿もない木がばらばらと立って、そのなかに赤い実のなる小さな木がまじっている。やっぱり無数の蜘蛛が巣をかける。精霊とんぼの翅が軒端をつたってひかひかと光る。妹は
「私そんな島のこときいて泣いたわ」
といった。私が島にこもっていたことを彼女は最初の重体ののち、一時よほど容態がよくなったときはじめてきかされたのだ。こういう短いひと言にさえわずかに残った気力を一所懸命あつめなければならないように、そして無駄をしないためにたくさんの話のなかから出来るだけ大切なひとつをよりだそうとするように、ながい間をおいてぽつりぽつりと蚊の鳴くような声でいいだすのであった。
妹には女の子があった。まだ一つで、這ってあるく。その産のすこしまえから床につきどおしなので一度も抱いたことがない。ただ這ってあるくのを頭の位置はそのままに眼の動かせる範囲内だけ眺めてることがある。