Japanische Klassiker mit Furigana
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うばすて
姥捨
Lesen Sie 姥捨 (うばすて) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.853 Zeichen · 29 Bildschirme
「あわせて三十円じゃないか。ちょっとした旅行ができるね。」
新宿までの切符を買った。新宿で降りて、それから薬屋に走った。そこで催眠剤の大箱を一個買い、それからほかの薬屋に行って別種の催眠剤を一箱買った。かず枝を店の外に待たせて置いて、嘉七は笑いながらその薬品を買い求めたので、別段、薬屋にあやしまれることはなかった。さいごに三越にはいり、薬品部に行き、店の雑沓ゆえに少し大胆になり、大箱を二つ求めた。黒眼がち、まじめそうな細面の女店員が、ちらと狐疑の皺を眉間に浮べた。いやな顔をしたのだ。嘉七も、はっ、となった。急には微笑も、つくれなかった。薬品は、冷く手渡された。おれたちのうしろ姿を、背伸びして見ている。それを知っていながら、嘉七は、わざとかず枝にぴったり寄り添うて人ごみの中を歩いた。自身こんなに平気で歩いていても、やはり、人から見ると、どこか異様な影があるのだ。嘉七は、かなしいと思った。三越では、それからかず枝は、特売場で白足袋を一足買い、嘉七は上等の外国煙草を買って、外へ出た。自動車に乗り、浅草へ行った。活動館へはいって、そこでは荒城の月という映画をやっていた。