Japanische Klassiker mit Furigana
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おばすて
姨捨
堀 辰雄
Lesen Sie 姨捨 (おばすて) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.351 Zeichen · 20 Bildschirme
が、一方、女はそういうどうにも為様のないような詮らめに落ち着こうとしている自分が、却って昔の自分よりもふがいなく思えてならなかった。
その後も宮からは、絶えず女をお召しになっていた。亡くなられたお方の小さい御子達の相手に女の姪たちを連れて来て貰いたいと云うのだった。女はもう自分だけなら、このまま静かに老いるのも好いと考えていた。それ程女は身も心も疲れ切っていた。しかし、漸くおとなびて来た姪たちの事を考えると、此子達だけは自分のようにさせたくないと、折角の宮からのお召を拒みかねて、二人に附添ってはおりおり又出仕をするようになった。が、こん度は女は宮でもまるっきり新参というのでもなく、そうかと云って又古参という程でもないので、只なんという事なしに女房たちの中に雑じって、もとの朋輩たちと気やすく語らってさえいれば好かった。もう別に宮仕えだけで身を立てようなどともしていないので、外の女房たちが自分よりも上の思召しが好かろうと羨ましいとも思わなかった。そうして、古参の女房からいろんな昔の知りびとの噂などを聞いては、それを淡々と聞き過していた。一方、こうして此頃のように自分がそれに即かず離れずの気もちでいられるようになってから、漸く宮仕えと云うものの趣を自分でも分かりかけて来たような気もしないではなかった。