Japanische Klassiker mit Furigana
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むすめとおおきなかね
娘と大きな鐘
小川 未明
Lesen Sie 娘と大きな鐘 (むすめとおおきなかね) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.769 Zeichen · 8 Bildschirme
ある名も知れない、北国の村に、あれはてたお寺がありました。そのお寺のあるところは、小高くなった、さびしいところでありました。
本堂から、すこしはなれたところに、鐘つき堂がありました。境内には、木がたくさんしげっていました。春になると花が咲き、そして、新緑にかわり、やがて、秋になると、木々の葉が黄色く、紅く、色づいて雨にほろほろと落ちるのであります。平生は、あまりおまいりにゆく人もなく、すずめが、本堂の屋根や、また鐘つき堂のまわりで、かしましく鳴いているばかりです。
けれど、たまたま真夏になって、雨の降らないことがありました。そんなときは、村の百姓は、どんなに困ったでありましょう。
「もう、三十日も雨が降らない。まだこのうえ、旱がつづいたら、田や、圃が乾割れてしまうだろう。」といって、一人は、歎息をしますと、
「ほんとうに、そうだ。雨ごいをしなければなるまい。」と、ほかの百姓は、空を仰ぎながら、心配そうな顔つきをしていうのでありました。
雨ごいをするのには、村の人たちは、男となく、女となく、お寺に集まって、供養をしなければなりません。そして、いままでの自分たちの先祖の悪かったことを、真心こめておわびをするのでありました。