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Japanische Klassiker mit Furigana

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こんきはずれ

婚期はずれ

織田 作之助

Lesen Sie 婚期はずれ (こんきはずれ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.054 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

小柄で、袖なしなどを色気なく着て、こそこそ背中をまるめ、所帯じみて見えた。それが何か哀れだった。器量もたいして良くなかった。

三年は瞬く間だった。怖いほど速く年月が経つと、おたかがふと義枝の年数えてみると、うかうかと二十九だった。身震いしたが、けれどもその間縁談が無かったわけでもない。

父親が死んで間もなく、季節外れの扇子など持った男が不意に来て、縁談だった。気配で何かそれらしく、おたかは随分狼狽した。咄嗟の心構えがつかず、むしろ気恥かしく応待した。取乱しては嗤われるかねがねの負目で、嬉しい顔も迂濶に出来なかった。客は小僧いほど落着いて、世間話の冒頭をだらだらとふった。それで焦らされて、わざとの渋い表情も自然に装えて、顔をしかめた。すると縁談をきく心用意もどうやらきまったが、こともあろうに落着いたところは、断る肚だった。相手の身分も訊かぬうちにそんな風にいわば喧嘩腰で、われながら意固地な母だったが、いまに始まらなかった。

……父親の生きていたころ、三度義枝に縁談があったことはあった。相手は呉服屋の番頭、瓦斯会社の勤人、公設市場の書記と、だんだんに格が落ちた。