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Japanische Klassiker mit Furigana

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こんきはずれ

婚期はずれ

織田 作之助

Lesen Sie 婚期はずれ (こんきはずれ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.054 Zeichen · 16 Bildschirme

Aozora Bunko

腹立たしいというより、むしろさすがに取り逃がした気持で、われにもあらず心に穴があいた。なんで断る気になったんやろかと考えてみても判らず、所詮いまさらの後悔だったが、いってみれば父親は下手に町会の幹事などしたわけだ。一つには、義枝の年が若ければ、かえって畳屋の職人でもあっさりと応じたのかもしれず、つまりはひがみだった。

やがてそわそわと立ち上り、勝手元へ出てみると、義枝はしきりに竈の下を覗いていた。新聞紙を突っ込み、突っ込み、薪をくべ、音高く燃えて、色黒い義枝の横顔に明るく映えていた。ふと振り向いたその眼が赤く、しばたき、煙のせいばかりでないと、おたかは胸痛く見たが、どういうわけか、おたかの声は、えらい煙たいやないかと、叱りつけるようだった。

次の縁談があるまで半年待った。こんどの談は永助に来て、先方は表具屋の娘だったから、これも永助の意嚮を訊かぬうちに有耶無耶になった。仲人はしかし根気良く三度運んだのだった。けれどももう三度目には、こんな年増アや小姑のいる家になにが嫁はんの来手がおまっかいなと捨科白して、ばたばたと帰ってしまった。いわれてみるとさすがに痛く、改めて永助の年を数えてみると、三十四だった。