Japanische Klassiker mit Furigana
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おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lesen Sie 婦系図 (おんなけいず) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 172.760 Zeichen · 343 Bildschirme
「失礼でございますから、」
「よう、私困るのよ。寝ていて下さらなくっては。小母さん、そう云って下さいな。」
と気を揉んで、我を忘れて、小芳の背中をとんとんと叩いて、取次げ、と急って云う。
その優しさが身に浸みたか、お蔦の手をしっかり握った、小芳の指も震えつつ、
「お蔦さん、可いから寝ておいでな、お嬢さんがあんなに云って下さるからさ。」
「いいえ、そんなじゃありません。切なければ直きに寝ますよ。お嬢さん、難有う存じます。貴嬢、よくおいで下さいましたのね。」
「そして、よく家が知れましたわね。この辺へは、滅多においでなさいましたことはござんせんでしょうにねえ。」
小芳はまた今更感心したように熟々云った。
「はあ、分らなくってね。私、方々で聞いて極りが悪かったわ。探すのさえ煩かしいんですもの。何だか、あの、小母さんたちは、ちょいとは、あの、逢って下さらなかろうと思って、私、心配ッたらなかってよ。」
「私たちが……」
「なぜでございますえ。」
と両方へ身を開いて、お妙を真中にして左右から、珍らしそうに顔を見ると、俯向きながら打微笑み、
「だって私は、ちっともお金子が無いんですもの。