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Japanische Klassiker mit Furigana

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こどものせかい

子どもの世界

村山 俊太郎

Lesen Sie 子どもの世界 (こどものせかい) von 村山 俊太郎 (むらやまとしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.179 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

子どもたちの学校も、どうにかもとのように授業をはじめるようになった。ぶ厚い防空頭巾をかなぐりすてた、軽々した学生帽でうれしそうに登校する。十月も半ばすぎて、一昨年六月生まれた士郎がようやく立つようになった頃、ぼくに関する大赦の新聞記事が、世間の話題となった。ぼくの方二間の住まいが俄かに、にぎやかな人びとの来訪によってにぎわっていたある日、長男は学校から帰るとぼくに向かってたずねる。

キョウサントウって何だや。

ぼくはギクリとした心を平気に装いながらも、この子どもが、どこからこんな問題を拾ってきたのだろうかと考えてみた。そしてぼくはこの子が誰からか、からかわれでもしたのだろうと察して、

だれかに、何とか言われたか。

と笑ってたずねると、今日学校で上級の男の子がキョウサン、キョウサン、キョウサントウとからかったと、朗らかにいう。そこでぼくは、それで何といったのときくと、

ンダズー(そうだよと肯定する方言)

と言ったと朗らかに笑っている。ぼくは妻と一しょに「ンダズ」はふるっていると笑ってしまった。

それから次つぎに皮をはがれるようにすすんでいる民主主義日本の荒い息吹きのなかで、子どもたちは新聞をあさり、私と妻の話に耳を傾け、ある時は私と来客の間に割り入って話をきくのである。