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Japanische Klassiker mit Furigana

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きせつのあじ

季節の味

佐藤 垢石

Lesen Sie 季節の味 (きせつのあじ) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.046 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

雉子なども一度交尾すればもうおしまいである。十月頃奥山から出てきて、餌をあさりはじめる。十二月初旬雪が降る候になると、そろそろ脂肪を持ちはじめ、一月から二月には春機が発動して、羽根の色にも筋肉の容にも生気が漲って三月、四月には雌雄相交わり、五月には産卵して育児にいそしむ。ところが十二月に脂肪が乗りはじめて、一月、二月の頃、性の営みを覚えてくるまでは大層味が立派であるが、一度雌雄相交わると俄に味が劣ってくる。それが産卵し、卵を孵化して子を育てるに至ると、まことに食うに堪えないまで肉質が下落するのである。

ところが、ここに例外がある。

動物は必ず一年に一度ずつ、交会の期が回ってくるものであるが、季節なく春機の動くものがある。それは家鶏、家鴨、豚、飼いウサギなどである。これらは一年中、時と場所を選ばないから、いつといって味の季節がない。

本来、野獣、野禽、魚類は生活のために大層な努力を費やす。食物を得るために死物狂いとなり、外敵を防ぐために頭を使う。ところが、家鶏や豚は、人間から厚く保護され、食物を得る心配もなければ、外敵を防ぐ必要もない。人間に保護されている幸福な家鶏や豚は、蓄えた精力を常に生殖専門にそそぐようになったので、その結果として家鶏にも、豚にも味の季節がなくなったのである。