Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
と考えるのは一応尤もです。併し、それは常識に過ぎません。訓練というものがどれ程偉い力を持っているか、この世にはどんな常識以上の奇怪事が存在するかを知らぬ人の言草です。支那の曲芸師は五六歳の子供に、股の間から首を出す程もそり返る術を教え込むことが、出来るではありませんか。チャリネの軽業師は、十歳に足らぬ幼児に、三丈も高い空中で、鳥の様に撞木から撞木へ渡る術を教え込むことが出来るではありませんか。ここに一人の極悪人がいて、あらゆる手段をつくしたならば、十歳の子供だって、殺人の奥義を会得しないと、どうして断言することが出来ましょう。又嘘をつくことだって同じです。通行人の同情を惹く為に、乞食に傭われた幼児が、どんなに巧みにひもじさを装い、側に立っている大人乞食を、さも自分の親であるかの如くに装うことが出来るか。君はあの驚くべき幼年者の技巧を見たことがありますか。子供というものは、訓練の与え方によっては、決して大人にひけをとるものではないのですよ」
諸戸の説明を聞くと、成程尤もだとは思うけれど、私は無心の子供に血みどろな殺人罪を犯させたという、この許すべからざる極悪非道を、俄に信じたくはなかった。