Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

「弥陀の利益」

何故と云って、初代さんは、こんなものを持っていなかったけれど、殺されたのだからね。初代さんが殺された時盗まれたのは、チョコレートを別にすれば、手提袋丈けだが、手提げの中へこの石膏像は這入らない。とすると、何かもっと小さなものだ。小さなものなれば、石膏像の中へ封じこむことが出来るからね。ドイルの小説に『六個のナポレオン像』というのがある。ナポレオンの石膏像の中へ宝石を隠す話だ。深山木さんは、きっとこの小説を思出して、例の『品物』を隠すのに応用したものだよ。ホラ、ナポレオン、乃木将軍、非常に聯想的じゃないか。で、今検べて見るとね。汚れているので目立たぬけれど、この石膏は確かに一度二つに割って、又石膏で継ぎ合わせたものだよ。ここの所に、その新しい石膏の細い線が見えている」

云いながら、諸戸は石膏のある個所を、指先に唾をつけて、擦って見せたが、なる程その下に継目がある。

「破って見よう」

諸戸は、そう云ったかと思うと、いきなり石膏像を柱にぶっつけた。乃木将軍の顔が、無惨にもこなごなになってしまった。

「弥陀の利益」

さて、破れた石膏像の中には、綿が一杯詰っていたが、綿を取りのけると、二冊の本が出て来た。