Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
高さは私の身体を二つ重ねた程です。天井には板が張ってあって、助八さんに聞くと、その上に土をのせて、瓦が並べてあるのだそうです。その瓦の端の方は窓から見えて居ります。
今私の坐っている所には畳が十枚敷いてあって、その下は板になって居ります。板の下には、もう一つ四角い所があります。梯子を降りて行くのです。そこも広さは上と同じですが、畳がなくて、色々な形の箱がゴロゴロところがっています。私の着物を入れた箪笥もあります。お手水もあります。この二つの四角な所を部屋とも云い、ドゾウ(土蔵)とも云う様です。助八さんは時々クラとも云っています。
クラにはさっきの壁の戸の外に、上に二つと下に二つの窓があります。皆私の身体の半分位の大きさで、太い鉄の棒が五本ずつはめてあります。それだから、窓から外へ出ることは出来ません。
畳の敷いてある方には、隅に蒲団が積んであるのと、私のおもちゃを入れた箱があるのと、(今その箱の蓋の上で書いて居ります)壁の釘に三味線がかけてある丈けで、外にはなんにもありません。
私はその中で大きくなりました。世界というものも、人の沢山かたまって歩いている町というものも、一度も見たことがありません。