Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

書いているのは、秀ちゃんの方の手なのですから。けれども、壁の向うの音が聞える位には吉ちゃんの心も分ります。

私の心は、吉ちゃんの方が、秀ちゃんよりも、よっぽど片輪です。吉ちゃんは本も秀ちゃんの様に読めませんし、お話をしても、秀ちゃんの知っていることを、沢山知りません。吉ちゃんは力だけ強いのです。

それですけれども、吉ちゃんの心も、私が片輪者だということを、ハッキリハッキリ知って居ります。吉ちゃんと秀ちゃんは、そのことを話しする間は、喧嘩をしません。悲しいことばかり話します。

一番悲しかったことを書きます。

ある時御飯のお菜に、知らぬお肴がついて居りましたので、あとで助八さんにお肴の名を聞きましたら、章魚と申しました。章魚というのは、どんな形ですかと尋ねますと、足の八つあるいやな形の魚だと申しました。

そうすると、私は人間よりも章魚に似ているのだと思いました。私は手足が八つあります。章魚の頭は幾つあるか知りませんが、私は頭の二つある章魚の様なものです。

それから章魚の夢ばかり見ました。本当の章魚の形を知りませんものですから、小さい私の様な形のものだと思って、その形の夢を見ました。