Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme

Aozora Bunko

蝋燭をさし入れて覗いて見ると、横穴の方が広そうなので、諸戸はその方へ曲って行った。

道はのたうち廻る蛇の様に、曲りくねっていた。左右に曲る丈けではなくて、上下にも、或時は下り、或時は上った。低い部分には、浅い沼の様に水の溜っている所もあった。

横穴や枝道は覚え切れない程あった。それに人間の造った坑道などとは違って、這っても通れない程狭い部分もあれば、岩の割目の様に縦に細長く裂けた部分もあり、そうかと思うと、突然非常に大きな広間の様な所へ出た。その広間には、五つも六つもの洞穴が、四方から集って来て、複雑極まる迷路を作っている。

「驚いたね。蜘蛛手の様に拡がっている。こんなに大がかりだとは思わなかった。この調子だと、この洞穴は島中端から端まで続いているのかも知れないよ」

諸戸はうんざりした調子で云った。

「もう麻縄が残少なですよ。これが尽きるまでに行止まりへ出るでしょうか」

「駄目かも知れない。仕方がないから、縄が尽きたらもう一度引返して、もっと長いのを持って来るんだね。だが、その縄を離さない様にし給えよ。大切の道しるべをなくしたら、僕等はこの地の底で迷子になってしまうからね」