Japanische Klassiker mit Furigana
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ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
「だが、こうしていたって仕様がない。行ける所まで行って見よう」
諸戸はそう云って、蝋燭を新しいのと取換え、先に立って歩き出した。その広い洞窟には幾つもの枝道があったが、私達は縄の終っていた所からまっすぐに歩いて、つき当りに開いている穴に這入って行った。入口は多分その方角であろうと思ったからである。
私達は度々枝道にぶっつかった。穴の行止りになっている所もあった。そこを引返すと、今度は以前に通った路が分らなくなった。
広い洞窟へも一度ならず出たが、それが最初出発した洞窟かどうかさえ分らなんだ。
一つの洞窟を一週しさえすれば、必ず見つかる麻縄の端を発見するのでも、あんなに骨を折ったのだ。それが枝道から枝道へと、八幡の藪知らずに踏み込んでしまっては、もうどうすることも出来なんだ。
諸戸は「少しでも光を発見すればいいのだ。光のさす方へ向いて行けば、必ず入口へ出られるのだから」と云ったが、豆粒程の幽かな光さえ発見することが出来なかった。
そうして滅茶苦茶に一時間程も歩き続けている内に、現在入口に向っているのだか、反対に奥へ奥へと進んでいるのだか、島のどの辺をさまよっているのだか、さっぱり分らなくなってしまった。