Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lesen Sie 孤島の鬼 (ことうのおに) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 181.795 Zeichen · 359 Bildschirme
意外な人物
意外な人物
諸戸は私を離した。私達は動物の本能で、敵に対して身構えをした。
耳をすますと、生き物の呼吸が聞える。
「シッ」
諸戸が犬を叱る様に叱った。
「やっぱりそうだ。人間がいるんだ。オイ、そうだろう」
意外にも、その生き物が人間の言葉を喋った。年とった人間の声だ。
「君は誰だ。どうしてこんな所へ来たんだ」
諸戸が聞返した。
「お前は誰だ。どうしてこんな所にいるんだ」
相手も同じことを云った。
洞窟の反響で、声が変って聞えるせいか、何となく聞覚えのある声の様でいて、その人を思い出すのに骨が折れた。暫くの間、双方探り合いの形で、黙っていた。
相手の呼吸が段々ハッキリ聞える。ジリジリと、こちらへ近寄って来る様子だ。
「若しや、お前さん方は、諸戸屋敷の客人ではないかね」
一間ばかりの近さで、そんな声が聞えた。今度は低い声だったので、その調子がよく分った。
私はハッとある人を思出した。だが、その人は已に死んだ筈だ。丈五郎の為に殺された筈だ。……死人の声だ。一刹那、私はこの洞窟が本当の地獄ではないか、私達は已に死んでしまったのではないか、という錯覚を感じた。
「君は誰だ。